夢の世界はもうすぐ・・・かも?
誰もが一度は憧れた文字通り「夢」の学習テクニック。それが睡眠学習です。
科学誌『ネイチャー』に発表された論文(*)によると、睡眠中にも新しい事柄を学ぶことは可能なんだとか。
ただし、実験に用いられたのは臭いと音の関連付けといったシンプルなもの。複雑な物事を記憶できるかどうかはまだ明らかになっていません。
起きている間は何もせずとも、睡眠学習だけでどんなことでも覚えられる・・・なんてうまい話は、やはりないのでしょうか?
記憶の定着には効果あり
睡眠を記憶力アップに役立てることはできます。
新しい物事を学んだ後に仮眠、もしくは一晩の睡眠を挟むことで、記憶の定着率が上がることが、いくつかの研究結果によって証明されています。
科学誌『セレブラル・コルテックス』に発表された論文(*)によると、外国語を学習した被験者たちに仮眠を取らせ、ノンレム睡眠時に学習した単語の録音テープを聞かせたところ、起きている間にテープを聞き流した被験者よりも理解度が向上したそうです。
脳は睡眠時に記憶した情報を整理すると言われています。このタイミングで復習を行うことで、記憶の結びづけを助ける効果があると思われます。
このテクニックは「TMR(Targeted Memory Reactivation)」と呼ばれ、音声テープの他にも香りや音楽などをトリガーにして記憶と結びつける(睡眠時に同じ香りや音楽を体験させ、情報整理を助ける)ことができるんだとか。
では、睡眠を記憶力アップに活かすには、どんな部屋づくりをしたらいいのでしょうか?
寝室に勉強スペースをつくる
睡眠時に記憶を定着させるためには、覚えたい事柄を寝る直前に勉強するのが最も効果的です。
そこでおすすめなのが、寝室に小さくてもいいので勉強スペースを作るというアイデア。
寝る前の最後の一踏ん張り。短時間で頭に詰め込み、あとはぐっすり。朝起きてすぐに机に向かい、覚えたことを再確認すれば、カンペキです。
録音&タイマー付きスピーカー
好きな音楽で目覚めることができるアラーム機能(タイマー)付きスピーカー。これを睡眠学習に活用するテクニックです。
勉強時に流していたのと同じ音楽を流してトリガーにするのもいいですが、寝る前に覚えたいことを自分で吹き込んで、寝ている間に流すのもおすすめです。スヌーズ機能を使えば、反復効果があるかも・・・?
周りの迷惑にならないように、ボリュームにはご注意を。
タイマー付きアロマディフューザー
ぐっすり眠れるようにリラックスできる香りを・・・ではありません。
覚えたい物事と香りとを結びつけ、タイマー機能を使って寝ている間に同じ香りを嗅ぐという方法です。
ディフューザーを複数用意して、時間によって香りを使い分けるのも良さそうです。
この分野の研究はまだまだ発展途上で、どんな学習(記憶)にも効果があると証明されているわけではありません。
前回ご紹介した「暗記部屋(記憶の宮殿)」と同様、英単語などの単純な暗記モノに使うのはある程度効果が実証されているようですので、他の勉強テクニックと組み合わせて、日頃の学習に上手に取り入れていきましょう。